ARTIST
モーリス・ユトリロ
Maurice Utrillo
(1883年-1955年)
ユトリロは日本でも早くから紹介された。
ジョルジュ・バランシン振付の『バラボー』の美術、衣裳はユトリロ生涯唯一の舞台作品。背景に教会が登場するバレエ台本のために、ディアギレフの秘書ボリス・コフノが教会のある風景画で知られたユトリロを推薦したのが発端。ディアギレフはユトリロには一度も会わず、すべてのやりとりはコフノが行った。
上演回数が少なく、再演もされなかったため衣裳の保存状態は極めて良く、現在カナダ、国立キャンベラ美術館に収蔵されている。
母は画家シュザンヌ・ヴァランドン、父は諸説あるが、7歳の時、スペイン人の画家・美術評論家ミゲル・ウトリリョが認知して以来「ユトリロ」と名乗った。中学までしか出ておらず、独学で絵を学び、1909年に画商がつき、サロン・ドートンヌに出展し活躍するようになった。
アルコール依存症と精神疾患に悩まされながら創作を続けた。
手がけた作品:『バラボー』(1925)